円高が為替に与える影響とは?

円高とその影響を考える

2007年のサブプライムローン問題や、2008年のリーマンショックなど、世界的な金融問題が起こり、それをきっかけにして長期の円高が続いています。

「円高不況だ、円高対策だ」と世間では騒がれていますが、実際円高は日本にとってどんな影響を与えているのでしょうか?

変な先入観を持たずに日本経済を見渡すと、円高の意外な影響が見えてくるかもしれませんよ。

FXを始める前に抑えておこう。そもそも、円高とは?

円高とは、外国の通貨に対して円の価値が高いということです。
一般的に対比されるのがアメリカドルですが、大抵の場合はドルに対して円が高い場合は他の主要通貨に対しても高いのが普通と言われています。

例えば、1USドル=110円という為替相場から、次の発表で1USドル=100円になったとします。この場合、円の数字は小さくなっていますが、前回の相場より今回の相場が「10円の円高ドル安」ということになります。つまり、円の価値が10円上がったということですね。

「円の価値が高くなるってことは、良いことなんじゃないの?」と思う人も多いかも知れません。
実際、その考えは間違いではありません。しかし、正解とも言えません。日本の経済の現状を考えると、良い影響も悪い影響もあると言えるからです。

円高が日本経済に与える良い影響、悪い影響って?

円高が与える経済の良い影響としてまず挙げられるのが、海外での日本円の価値が上がるので、海外からの輸入代金が安く済むということです。このため、海外から資源や資材などを輸入していて、加工しているような製造業にとっては原価を安く抑えることができ、収益のアップ、企業の規模拡大へと繋がります。

また、日本の企業がアメリカや、海外諸国へ規模を広げる際にも、現地の土地を安く買えたり、企業買収がしやすくなるというメリットもあります。
単純に個人で考えても、少ない日本円で多くの外国製品が安く買えるので、海外旅行などはすごくお得なのです。

例えば2008年の後半から円高が急激に進行しましたが、それと同時に韓国ウォンが急落しました。この時期から、韓国まで買い物旅行に出かける日本人訪問者が急増し、社会現象になりました。少ない日本円で多くの外国製品が買える上、旅行費自体も安いわけですから、これは当然ですね。

では、悪い影響とは何でしょうか。
真っ先に挙がるのが、先ほどとは逆で輸出企業への悪影響です。

日本は「輸出大国」です。他の先進国に比べて規模が小さく人口も少ない日本ですが、輸出産業においては長期に割って世界的なシェアを保っていて、それだけ輸出で経済を支えている日本の企業の力が凄まじいということも言えますが、円の価値が高くなるわけですので、海外からしてみれば「日本の商品が値上がりする」ということを意味します。

その結果、日本の輸出したものが売れにくくなり、輸出額が減少します。売上の減った輸出企業はコスト削減を迫られ、そこで働く従業員の給与は必然的に削減されることになります。結果、輸出企業の規模の縮小を余儀なくされるのです。

さらに、物価の下落にも影響するため、デフレーションの心配もあります。商品を買ってくれなくて儲からないお店の、「店員とお客さん」のような関係ですね。

2014年、円/USドルの為替レートが1USドル=100台前半から当時消費税が5%から8%への増税したため、後半110円台と一時急激に円安になりましたが、翌年からまた円高トレンドに戻り、結果的に長期の円高が続いているという状況です。

日本は「輸出大国」だという話をしましたが、実は石油や大豆、小麦など、様々なものを輸入に頼っているという側面もあります。輸入に関しては、円安が大きく影響します。

円安は、円高とは逆で海外での日本円の価値が下がるため、輸入代金が高くなります。海外からずっと買っていたものの値段が上がれば、もちろん物価も高くなります。
今まで100円で買えていたものが200円出さないと買えなくなるとすれば、消費者たちが商品を買わなくなりますよね。

普段、普通に生活していれば、こっちの影響の方が私たちには馴染みがあり、「日本経済が回っていない」という感覚に近いかも知れませんね。
とはいえ、現在の日本の経済は「貿易黒字」、つまり輸入額より輸出額の方が多いわけで、やはり円高によって受ける悪影響の方が大きいような流れになっています。

「円の価値が高くなる=良いこと」というのは正解でも間違いでもないという話をしましたが、それはつまり「円高でも円安でも、良い影響も悪い影響もある」ということなのです。

こう言ってしまうと身も蓋もないようですが、日本の場合は、世界でも屈指の貿易力で、輸出によって成り立っているという現在の経済の形がありますので、それを考慮すると、やはり経済へのより大きなダメージになるのは円高による輸出代金の高騰、輸出企業に対するダメージだということが言えるのではないでしょうか。

FXには様々な通貨ペアが有ります。こういった世界情勢によって為替は変動してきまので、各国の経済情勢を考えた上でリスク回避していく必要性がありますね。
FXは、利益を上げることも勿論大事ですが、こういったリスクを最小限に抑える準備も忘れないで下さいね。

おすすめの記事